飴棒(月刊Kacce7月号 散歩ウオッチング)

※この投稿は、月刊Kacce2019年7月号(vol.427)掲載記事の再編集です。

天気予報でもおなじみの二十四節気では、今月7日が小暑、23日が大暑。東京では入谷の朝顔市、浅草のほおずき市など、浴衣の似合う季節です。

五節句のひとつである七夕は7日が多いようですが、本来は梅雨明けの旧暦7月7日(今年は8月7日)の行事です。

 散歩の途中、コンクリートに囲まれた小さな池でアメンボを見かけました。日本のアメンボ科、イトアメンボ科は約30種。細長い体や足が特徴の水生カメムシです。触覚が長く、腹端には鋭いトゲが2本。翅(はね)が長く、腹の大部分を覆う長翅(ちょうし)型と、腹の後ろがよく見える短翅(たんし)型の2種類います。

アメンボ

アメンボの名前の由来は、体に臭腺があり、捕まえると「棒」のような細長い体から「飴」のような匂いを出すため、人間の嗅覚と視覚からついた和名です。

 アメンボの体重は40ミリグラム程度。1ミリグラムは1グラムの千分の1ですから、見た目より軽量です。水に浮く理由は、体の軽さのほか、中足と後ろ足の先端にある細かい多数の毛に体内から染み出てくる油で水をはじく表面張力があるためです(写真のアメンボの影を参照ください)。

アメンボの影

 足は6本ですが、一見すると4本に見えます。一番短いのが触覚の辺りにある前足で、カマのような形で獲物を捕らえる際に使います。一番長いのは進む時に使う中足で、後ろ足は方向の調整に使い、中足と後ろ足は連動して動きます。

 時々は、小さな池の表面も眺めながら散歩をお続けください。

森野かずみ

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