キウイフルーツ(月刊Kacce5月号 散歩ウオッチング)

※この投稿は、月刊Kacce2021年5月号(vol.448)掲載記事の再編集です。

 頭上が新緑に覆われる頃、足元には落ち葉が多くなります。

 常緑樹は新しい葉を1年以上長持ちさせることを選んだ樹木で、初夏の新しい葉が整うにつれて落ちる古い葉は、夏落ち葉や常盤木落ち葉(ときわぎおちば)などと呼ばれています。

 よく見かけるのはカシ類、シイ、クスノキ、ユズリハ、マツ、スギ、ヒノキなど。新葉に入れ替わった常緑樹は落葉樹とともに初夏の緑を演出します。全ての生物はそれぞれの時計遺伝子を持ち、自然の法則の中で生きていますが、唯一、人間だけが時計の針を基準に生きているようです。

キウイ両性花
キウイ両性花

 住宅街の散歩で見かける果樹園で、キウイフルーツが花を咲かせていました。キウイフルーツ(マタタビ科マタタビ属)は、雌雄異株の落葉性つる植物。ニュージーランドが1906年に中国原産のオニマタタビなどの品種改良に成功し、1934年頃から新しい果樹として商業栽培を始め、世界中で食べられるようになった果実です。その名称は、アメリカ合衆国に輸出する際、ニュージーランドのシンボル鳥であるキーウィ(kiwi)にちなんで1959年に命名されたので、鳥の姿かたちから付けられたわけではないようです。

サルナシ
サルナシ

 写真の花は一般的なキウイフルーツ(ヘイワード種)で、果肉はグリーンだと思われます。マタタビ属の近縁種もキウイの名称で流通しており、ゴールドキウイやゴールデンキウイなどをスーパーではよく見かけます。また、山地に自生する近縁種のサルナシの花は、田柄の梅林公園で見られます。

 清々しい季節となりましたが、マスクを忘れずに散歩をお続けください。

森野かずみ

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