目弾き(月刊Kacce8月号 散歩ウオッチング)

※この投稿は、月刊Kacce2021年8月号(vol.451)掲載記事の再編集です。

 今月7日は立秋。初秋は空気が澄み渡り、星空がよく見えます。都会では天の川はよく見えませんが、郊外を訪れる際は空を見上げてみてください。天の川が川のように見えるのは、太陽系が銀河の端の方にあり、円盤状の銀河をほぼ真横から見ているからです。

 この時期、夏バテ防止におすすめなのは「味噌汁」。庶民に普及したのは江戸時代とされ、いろいろな食材で楽しめるのが特長です。発酵食品として食するのであれば、生きた酵母が入っている味噌を選んでください。ちなみに、味噌汁は「おみおつけ」とも呼ばれ、「御御御つけ」と「御」が3個も並びます。

 農家が冬の風を防ぐために作った屋敷林が、都立光が丘公園の一角に「屋敷森跡地」として保全されています。自然のものではなく人工林ですが、この中の草地で、シソ科メハジキ属の「メハジキ(目弾き)」を見ることができます。和名の由来は、昔、子どもたちが茎を短く切り、まぶたに挟んでつっかえ棒のようにし、目を大きく開かせて遊んだことによるようです。

メハジキ
メハジキ

 メハジキの草は高さ1m前後まで成長し、上部の葉腋に淡紅紫色の唇形花(しんけいか)を数個ずつ咲かせます。花冠は外側に白い毛が密生し、下唇は3裂、中央裂片はさらに2裂、赤い線が目立ちます。茎葉は長さ8㎝前後で深く3裂、裂片はさらに羽状に切れ込みます。茎の上部の葉は小さく、披針形か線形です。

 ヤブ蚊と熱中症対策を講じながら、初秋の散歩をお続けください。

森野かずみ

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