枯れススキ(月刊Kacce11月号 散歩ウオッチング)

※この投稿は、月刊Kacce2021年11月号(vol.454)掲載記事の再編集です。

 落ち葉掃除の光景を見かける季節となりましたが、回収された落ち葉の多くは廃棄物として清掃工場で焼却され、一部は、たい肥作りに利用されています。

廃棄物は我々人間が生み出した概念で、本来、自然界には存在しません。地球上の動植物は全て“朽ちて土に還り循環する”という原則の上に成り立っています。

オギの穂
ススキとオギ

 秋の七草のひとつ、イネ科ススキ属のススキ(別名:尾花)の花序が結実した状態で見られる頃です。ススキは、公園や住宅の隙間などに生える大型の株立ち多年草で、葉は長線形で硬く、長さ70㎝前後で幅1.5㎝前後。ふちが非常にザラついているため、触ると手を切ることがあります。花序は長さ30㎝弱で、中軸は短く多数の枝を放射状に出し、小穂の基部にやや長い毛が密生しています。外花頴(がいかえい)の先にある長さ1㎝前後の芒(のぎ)が途中で折れ曲がり、中に種子が宿ります。

 葉の幅が5㎜以下の細いものはイトススキと呼ばれ、庭園の岩の辺りなどに植栽されています。園芸品では、葉に白い縞のあるシマススキ、淡黄色の横縞があるタカノハススキが住宅街でなどで見られます。

ススキの穂
ススキの穂

オギの穂

 

 ススキの仲間を「カヤ」と呼ぶのは、草を刈って屋根を葺(ふ)いた「刈屋根」がなまったのが由来だと言われています。時々混生する、株立ちしない「オギ」の穂には芒がないので、ススキと似た者比べをしながら散歩をお続けください。

森野かずみ

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