人生の転機は、突然に! – 落語家 三遊亭美るくさんインタビュー

※この投稿は、月刊Kacce2017年3月号掲載記事の再編集です。

春は、別れと出会いの季節。
ふとした出会いや出来事が、その後の人生をガラリと変えることも…。

IT企業の社員から女性落語家へ人生が大きく変わった転機について、練馬区在住の三遊亭美るくさんにお話をうかがいました。

三遊亭美るく

三遊亭美るくさん プロフィール
千葉県長生郡白子町出身。工学院大学卒業。2006年 三遊亭歌る多に入門。2011年 二ツ目昇進、「美るく」と改名。一般社団法人 落語協会所属。

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目次

「かっこいい!」に憧れていた幼少時代

育ったのは千葉県の海辺の町。小さい頃から母親がいなかったので、農業を営む父親の実家で育てられました。おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に、水戸黄門などの時代劇をよく見ていましたね。

女の子っぽい遊びは苦手で、男の子とよく戦隊ヒーローごっこをしていて、好きな色もピンクより黒とか青色で。「かわいい」とは言われたくない、「かっこいい」に憧れる女の子でした。

会社になじめない…そんな時期、落語に出会う

大学卒業後、大手IT企業に就職しましたが、職場の環境になじめず苦労していたところ、ふとしたことから人生の転機を迎えました。

きっかけは、大学時代の友人から「気分転換に落語でも見に行かない?」と誘われたことです。

仕事で疲れていたから「寝てればいいや」くらいの気持ちで行ったのですが、これが面白くて。ツボにはまり、気付けばゲラゲラ笑ってました。

「これは私の趣味に合う!」と、それからというもの休日は朝から晩まで寄席に入り浸っていました(笑)。

三遊亭美るく 浅六寄席

高座に粋な女性を見た「この人の弟子になる!」

熱心な落語ファンになったとはいえ、会社を辞めて自分が落語家になるなんてことは思っていませんでした。

ところが、女性落語家の三遊亭歌る多(かるた)さんの高座を見た時、落語の面白さもさることながら、潔い立ち居振る舞いと踊りっぷりに惚れこんでしまったんです。

まさに、子どもの頃から漠然と思っていた「粋でかっこいい女性像」。その時から彼女が私の目標になりました。

弟子になればこの人の近くにいられるんだと思い、仕事を辞めて退路を断ち、入門を決意しました。思い立ったら早かったですね。

落語家として生きていく!

当時26才。リクルートスーツで無鉄砲に、歌る多師匠の門戸を叩きましたが、すんなり弟子にしてもらえるわけもなく…。断られても食い下がり、親を説得して、なんとか弟子にしてもらうことができました。

女性の落語家は全体の1割弱ととても少ないんですが、最初はかわいがられるどころか、むしろその逆。無視されたり、お茶くみをしても「女がいれた茶なんか飲めない」という師匠もいたり。

お客さんからひどいヤジを受けたこともありますが、そこで泣いたり逃げたりせずに、「絶対に高座を務める! この場所にとにかくいさせてほしい」という思いで続けてきたら、いつの頃からか風向きが変わりました。

おばあちゃんになったら、下ネタがバンバンできる落語家になりたいですね(笑)。

三遊亭美るく 巣ごもり寄席

——と、清々しい表情で語ってくれた美るくさん。

ふとしたきっかけで心の中に芽生えたタネを、気持ちのままに大切に育てたら人生変わった、というお話でした。

美るくさん、真打目指して頑張って! 応援してます。

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