※この投稿は、月刊Kacce2022年1月号(vol.456)掲載記事の再編集です。
落葉樹は、初冬の紅葉で私たちを楽しませた後、すっかり裸木になり、それぞれの違いがよくわかるようになりました。自然現象には何ひとつ同じものはないのですが、特定の規則性はあります。
少なくなりましたが、街の中に残る屋敷林などで、ケヤキの大木を見かけます。下から見上げると圧倒されますが、大きな枝から小さな枝へ流れるような美しい樹形を眺めてみてください。ケヤキに限らず、どの木々も持つ、枝から枝へと流れる規則性はとても美しいものです。
梢の先をよく見ると、木々はそれぞれに小さな芽をたくさん付け、春の準備をしっかり整えて休眠中ですが、木の芽の観察を冬の楽しみにするのもいいものです。芽鱗(がりん)と呼ばれるウロコ状の外皮に包まれているものが多い中、わかりやすいのはモクレン科モクレン属のコブシやハクモクレンです。
植栽されているコブシを見かける機会は多いと思います。銀白色の筆のような感じで、豪華な毛皮をまとったようにも見え、暖かそう。センダンやトチノキなど高木の梢の先は、都会では街路樹の上や公園などにある歩道橋から見るのがおすすめです。
澄みきった空のもと、太陽光をよく浴び北風の当たらない草原には、オオイヌノフグリの花も見かける頃です。寒さに気を付けながら、新年の散歩をお続けください。
森野かずみ