恵方巻と節分草(月刊Kacce2月号 散歩ウオッチング)

※この投稿は、月刊Kacce2018年2月号(vol.410)掲載記事の再編集です。

冬至から昼の時間が少しずつ長くなりました。立春(4日)頃になると、寒いながらも梅の花もほころび始め、寒さの緩みを感じる日が多くなります。

季節の変わり目となる立春の前日は「節分」で、邪気を祓(はら)い福を呼び込む「豆まき」と共に、「恵方巻」を食べる習慣が最近では定着してきたようです。

余談ですが、「恵方」はその年の福徳を司る神とされる歳徳神(としとくじん)、いわゆる「歳神」のいる方位を指すもの。節分に大阪地方で食べられていた「丸かぶり寿司」を、セブンイレブンが全国発売する際に「丸かぶり寿司 恵方巻」と名付けたことからその名が急速に広まったそうです。

節分草

この頃咲く花に、キンポウゲ科セツブンソウ属の多年草、節分草(セツブンソウ)があります。早春に芽を出し、節分の頃に花を咲かせることから付いた和名で、いわゆるスプリング・エフェメラル(晩春以降は地下で過ごす春植物)のひとつです。

高さ10㎝ほどで、2㎝程度の可憐な白い花を付けますが、花弁状の部分はガク片で5個、花弁は小さく2裂し、先端は黄色の蜜線に変化しています。おしべは濃い紫色で、中央のめしべの周りに固まっています。根生葉は花茎と別に出て長柄があり全裂、茎葉は花の下に2個対生し、3深裂しています。環境省のレッドリストでは準絶滅危惧(NT)になっており、関東の自生地で有名なのは埼玉県小鹿野町と栃木県栃木市。

今月の中旬頃から咲き始めると思いますが、温暖化の影響で時期がずれる可能性もあります。花は赤塚植物園でも楽しめるので、早春の散歩をお続けください。

森野かずみ

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