※この投稿は、月刊Kacce2021年10月号(vol.453)掲載記事の再編集です。
その年の初穂を天照大神(あまてらすおおみかみ)に奉納し、翌年の豊作を祈願する神嘗祭(かんなめさい)は古事記に由来する収穫祭。
本来であれば、私たちが新米を食べられるようになるのは11月23日の新嘗祭(にいなめさい)の後だったようですね。
食料自給率の低下と共に私たちの食生活にも外国産農産物が増え、国内生産の農産物の「旬」がわからなくなるくらい生産方法が変化しています。旬の野菜をある程度知ることができるのは、区内の露地栽培の畑。9月頃からカボチャを見かけるようになりましたが、初物を好んだ江戸っ子の男性は初鰹、女性はカボチャが人気だったとか。
埼玉県境と練馬区・板橋区を流れる白子川は湧き水が見られる河川で、練馬区立大泉井頭公園に源流があります。水中には清流にしか住めないホトケドジョウなどが生息していますが、水上では中南米原産の帰化植物、ミズヒマワリ(キク科ミズヒマワリ属)の花を見ることができます。常緑多年草、抽水性水生植物で水中や水際に生育。高さは70㎝前後になり、葉は卵状披針形。葉先は尖り、両面無毛で光沢があって鋸歯は少なく、茎の頂に円錐花序を出して、白色の小さな球状頭状花を密集して咲かせます。
繫殖がきわめて旺盛で、ちぎれた茎や葉から容易に幼植物を再生。成長も早くて短期間で群落を作り、大繫殖して在来種を駆逐します。特定外来生物の第1次指定種で、栽培および移動が規制されています。
大泉井頭公園内には文化財に指定されたマルバヤナギの老大木も2株あります。足元に注意して河川沿いの散歩をお続けください。
森野かずみ