鬼面角(月刊Kacce7月号 散歩ウオッチング)

 今月の2日は、雑節の1つ、半夏生(はんげしょう)です。雑節とは、二十四節気を補う形で季節の移ろいを知るための指標として日本で考案されたもの。

 ドクダミ科の「ハンゲショウ(半夏生)」が引き合いに出されることがありますが、本来は、サトイモ科カラスビシャクの漢方名「ハンゲ(半夏)」が生え始める季節という意味です。ハンゲショウの和名は、半夏生の頃に花が咲き葉が白く変色することに由来しているようなので、ややこしいですね。

カラスビシャク

 街中を散歩していて巨大なサボテンを見かけました。サボテン科の柱サボテン、「キメンカク(鬼面角)」です。高さ10m、太さ15㎝前後にまで育ち、よく分枝して横幅も5mくらいまで広がるようです。柱には高さ3㎝前後の稜が7本前後あり、トゲが出る刺座(しざ)からは7本前後の刺(とげ)が出ています。長さ15㎝、幅13㎝前後の花を咲かせ、色は白からクリーム色。雄しべは多数あり、1番外側の花弁裏面は紅色を帯びています。夜間に咲くようなので、早朝散歩でないと開いた花は見られないと思います。

キメンカク
キメンカクの花

 玄関前では、タマムシ科のヤマトタマムシを見かけました。金属光沢のある緑の背面と、胸と前翅(ぜんし)に走る鮮やかな2つの赤色条で、識別は容易です。成虫はサクラ、エノキ、ケヤキの葉を食べるので、植栽された公園からの来客のようです。

ヤマトタマムシ

 キメンカクは写真ほど大きくないものも時々見かけますので、花に注目しながら散歩をお続けください。

森野かずみ

]]>
この投稿をシェアする
  • URLをコピーしました!
目次