武蔵野台地の崖線(月刊Kacce4月号 散歩ウオッチング)

※この投稿は、月刊Kacce2023年4月号(vol.471)掲載記事の再編集です。

 新暦では週末ごとに規則正しくやってくる休日。かつては新月や満月など季節の節目が休日で、自然と深く関わっていました。季節の節目を感じられるような休日は、心に確かな休息を与えてくれます。

 ソメイヨシノが咲き終わる頃、板橋の赤塚公園を番場地区から沖山地区、大門地区と、武蔵野台地の崖線に沿って、他の公園ではあまり見かけない植物を観察しながら歩いてみました。

ヒメウズ

 「ヒメウズ(姫烏頭)」はキンポウゲ科の多年草で、花の径は5㎜前後。花弁のように見えるのは萼片(がくへん)で、蕊(しべ)を包んでいるのが花弁です。小さく弱々しい草花ですが、広がって花を咲かせます。「ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)」はケシ科の多年草。花は2㎝前後で、花弁の後ろが袋状の距(きょ)になっています。伊勢地方では、この花を次郎坊、スミレを太郎坊と子どもが呼び、花の距を引っ掛けて遊んだことが和名の由来になっているそうです。

ジロボウエンゴサク

 「ニリンソウ(二輪草)」はキンポウゲ科の多年草。花の径は2㎝前後、花弁のように見える萼片が6個前後あり、花弁はありません。仲間に一輪草と三輪草がありますが、一輪草を除いて花茎は2〜3本です。この群落が200m前後に広がり見応えがあるのは、ボランティア団体の保存活動のおかげです。

 大門地区から東京大仏や赤塚植物園に向かって、足元の植物を眺めながらゆっくりと散歩をお続けください。

森野かずみ

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