時計草&胡麻(月刊Kacce7月号 散歩ウオッチング)

※この投稿は、月刊Kacce2023年7月号(vol.474)掲載記事の再編集です。

 6月頃から住宅街で見かける「トケイソウ(時計草)」(トケイソウ科トケイソウ属)は、つる性の常緑多年草ですが、茎が木質化するため、草ではなく木になります。成長力が強く、こまめに手入れをしないと茎が5m程度まで伸びて、庭中つるだらけになることもあります。

 花の中心にある3個に分裂した雌しべが時計の長針・短針・秒針のように見え、花弁が円形の放射状に配置されていることから、花を文字盤に見立てたのが和名の由来。英名はパッションフラワーで、果物のパッションフルーツの仲間です。日本でも多くの種類が販売されており、花の印象や色、開花時期がそれぞれ異なるので、道で花を見かけたら、花をよく観察してみてください。

トケイソウ

 もう1つご紹介するのは、区内の農園や花壇で時々見かける「ゴマ(胡麻)」。ゴマ科ゴマ属の1年草で、栽培の歴史は非常に古く、紀元前3500年頃にはインドで栽培されていたようです。草丈は1m前後で、薄いピンク色にも見える白色の花を葉腋から咲かせます。花は朝開いて夕方には落花し、秋に結実します。実の中の多数の種子が胡麻で、外皮の色により白ゴマ、黒ゴマ、金ゴマなどに分けられます。国内の産地は鹿児島県喜界島が有名ですが、日本の胡麻の99.9%は輸入品。ゴマ油は焙煎温度で色も風味も変わり、中華料理には200度の焙煎がいいようです。「太白油」などの焙煎しないゴマ油は、ゴマ本来の味と風味が活きています。

ゴマ

 梅雨の季節、蒸し暑い日が続きますが、ゆっくりと散歩をお続けください。

森野かずみ

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