※この投稿は、月刊Kacce2018年6月号(vol.414)掲載記事の再編集です。
梅の実が黄ばみ、梅雨入りの頃となりました。
雨の降り始めの土の匂いは、“土壌の酵素”と呼ばれている放線菌の匂いだというのをご存じでしょうか。
雨の後などには、よく歩道に蚯蚓(ミミズ)を見つけます。雨後の乾燥でのたうち回る姿や干乾びた姿、アリに運ばれる様子も見かけますが、なぜミミズは雨が降ると地上にわざわざ出てくるのか…?
昔からよく聞くのは、溺死しないようにするため、という説です。普段、ミミズは「拡散」と呼ばれる方法で皮膚から酸素を取り入れていますが、地中が水浸しになるとそれが困難になるそうです。
他にも、雨が降ると地上の方が速く移動できるという説、雨の落下による振動説など、いろいろあるようです。
春に孵化(ふか)して夏から活動するミミズは、腐葉土を食べて窒素やリンを含んだ栄養豊富な糞(ふん)をし、そこに微生物が繁殖。ミミズが掘った通気性や浸透性に富んだ土と相まって分解された栄養分が、菌類との共生によって植物の根に吸収されます。
ちなみに、ミミズの英語名はearthwormで、地球の虫という意味です。
今月の上旬頃に、区内ではちょっと珍しい樹木の花を見ることができると思います。地中海沿岸が原産地の銀梅花(フトモモ科ギンバイカ属ギンバイカ。別名マートル)です。
樹高は2m程度、葉は小さく単葉で葉身2㎝~5㎝位、葉柄は極短、花は雄しべが長いのが特徴です。
剪定されていることもあるかもしれませんが、練馬区田柄4丁目の田柄中央児童公園前の緑道沿いなどに植栽されているのを見かけます。
これからますます気温が高くなりますので、熱中症に気を配りながら散歩をお続けください。