※この投稿は、月刊Kacce2023年2月号(vol.469)掲載記事の再編集です。
草地や道端などで見られる写真のような形の植物体は「ロゼット」と呼ばれています。「ロゼット」とはバラの花に由来する言葉で、八重咲のバラの花びらのような配列を表しています。
いろいろな草花が冬越しのロゼットを作りますが、これは「草花のサバイバル作戦」とも言えます。冬は他の植物が少ないので、葉を広げることで日の光がよく当たり、平べったいつくりで風にも強く、雪が積もっても踏まれても、折れることなく地面にくっついています。冬は寒くても天気のいい日が多く、地面は日差しでけっこう暖かいようです。植物たちは成長していないように見えますが、根を太くしたり、光合成のために葉を増やしたりしています。
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写真のうち、オオバコやタンポポは終生この形で生活し花を咲かせますが、ビロードモウズイカやハルジオンは、冬の間だけロゼットの姿で過ごし、春になると茎を伸ばし始めます。見かけた時はゆっくり観察してみてください。冬の散歩を意外と楽しくしてくれます。
北風の吹かない陽だまりでの散歩をお続けください。
森野かずみ