※この投稿は、月刊Kacce2019年5月号(vol.425)掲載記事の再編集です。
世間では大型連休ですが、10連休の方もいれば、休めない方もいると思います。草花が萌えるこの季節、緑豊かな場所でのんびりできるといいですね。
シロツメクサ(白詰草)はマメ科シャジクソウ属の多年草で、別名はクローバーまたはオランダゲンゲ。どこでも見られるヨーロッパ原産の帰化植物で、「花かんむり」などを作って遊ぶ子どもの姿をよく見かけます。
名前の由来は、オランダからガラス製品が献上された1846年、壊れないように乾燥したシロツメクサが詰められていたというのが定説のようです。明治時代以降、家畜の飼料用として輸入され全国に広まりました。根に大気中の窒素を栄養にする土壌細菌(根粒菌)をもち、土を豊かにする植物として緑化にも利用されているようです。
茎は地上を這って長く伸び、葉は3小葉、ときに4小葉(四葉のクローバー)、5葉や6小葉も。葉柄は10㎝前後、葉の表面に色々な斑紋があります。群生しているシロツメクサは、広がりの中心部ほど背が高くなっているので観察してみてください。
花は1㎝前後の白い花が50個前後集まり、球状の花序を作って下から咲き始め、受粉をすると下に垂れますが、上から見るといつも満開のように見え、虫を誘っている虫媒花です。白いぼんぼりのような花の蜜は小さなハナアブには吸えず、大きなアブやハチは花序がたわんで吸えないため、ミツバチだけを養っているようにも見えます。
ごくまれに花が紅色を帯びるモモイロツメクサが混じっていることもありますので、花期の長いツメクサ散歩をお続けください。
森野かずみ