※この投稿は、月刊Kacce2019年10月号(vol.430)掲載記事の再編集です。
秋分の日も過ぎ、だんだんと夜が長くなってきました。
朝晩は冷気も増して、早朝の散歩で見かける草葉の露にも冷たさを感じる頃になりました。空気も澄んだ秋晴れの夜には、月も美しく眺められます。
今月の満月は14日。翌日は十六夜月(いざよいつき)、さらに翌日は立待月(たちまちづき)など、日本人は月にいろいろな呼び名を付けています。月の出は毎日約1時間ずつ遅くなり、下弦の月は21日に「真夜中の月」として東の空に上がります。ちなみに、十五夜から約1か月後の旧暦9月13日(今月11日)の十三夜(じゅうさんや)も、日本ではお月見の風習があります。
ここ数年、見かけることが急激に多くなった帰化植物のメリケンカルカヤ(米利堅刈萱)の繁殖が気になっています。戦後、都市部を中心に広がったとされる北アメリカ原産の多年草で、区内でも芝地、空き地、空き家の屋根など日当たりの良い場所に群生しています。葉は線形で幅5㎜程度、茎はそう生して高さ70㎝前後、茎上部の葉は退化して葉鞘(ようしょう)のみとなり、縁に長い毛があります。葉鞘の中に、2つの小花から成る小穂を付けますが、結実するのは片方だけ。小穂の根元には白い綿毛が多数生え、種は風で運ばれます。
メリケンカルカヤとは、〝アメリカから来たカルカヤ〟の意味。チガヤ、ススキ、スゲなどの総称を茅(かや)と呼び、屋根材用に刈り取った茅のことを特に刈茅(かるかや)と呼んでいました。なお、外来生物法では生態系被害防止外来種に指定されています。
特徴のあるイネ科植物なので、気に留めながら散歩をお続けください。
森野かずみ