稀な花散歩(月刊Kacce4月号 散歩ウオッチング)

※この投稿は、月刊Kacce2022年4月号(vol.459)掲載記事の再編集です。

 ソメイヨシノの花見もそろそろ終わりに近づき、これからはサトザクラの季節になります。サトザクラの仲間は、オオシマザクラに他のサクラが自然交雑したり、人為的に交配が行われたりして次第にでき上がった品種の集団ですが、一般的にはサクラの栽培品種の総称とされることが多いようです。一葉(イチヨウ)、関山(カンザン)、普賢象(フゲンゾウ)、松月(ショウゲツ)などは、練馬区内でもよく見かけます。

 今月は、この辺りではあまり見ない春の“花散歩”はいかがでしょうか。例えば、「アオダモ」(モクセイ科トネリコ属)。堅く粘りがあり、硬式野球バットの最高級材料です。葉は小型の奇数羽状複葉で、小葉は2〜3対ですが、手が届く枝では2対が多いようです。円錐花序に繊細な白い花を多数付けます。別名はコバノトネリコ。

アオダモ

 「ヤエザキコデマリ」(バラ科シモツケ属)はコデマリの八重咲品種。葉などにはコデマリとの違いがないので、よく見ないとわからないかもしれません。

ヤエザキコデマリ

 「ロドレイア」(マンサク科ロドレイア属)は、大きな卵形の葉が枝先に集まって付き、古い葉が紅葉します。花は鮮やかなピンク色で下向きに咲き、花冠は5㎝前後。別名はシャクナゲモドキです。中国雲南省原産のロドレイア・ヘンリーの栽培品であるレッド・ファンネルやスカーレット・ベルズの植栽もあるようですが、違いはよくわかりません。

ロドレイア

 いずれも住宅街で見かけた花です。いつもと少しコースを変えて散歩をお続けください。

森野かずみ

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