博多唐草(月刊Kacce5月号 散歩ウオッチング)

 5月2日は八十八夜で、立春から数えて88日目。これを過ぎれば遅霜の心配もなくなり、この日に摘んだ新茶を飲めば寿命が3年伸びるとか。5月4日は「みどりの日」。樹林を遠くから眺めると新緑のコントラストが美しい季節です。

 公園などの樹林帯の林下や水路周辺で、ツユクサ科の常緑多年性草本「ミドリハカタカラクサ」をよく見かけるようになりました。ツユクサを見慣れている方なら一見してツユクサの仲間とわかる、全体が緑色の外見です。

ミドリハカタカラクサ

茎は匍匐(ほふく)または斜上し、見るからに水分に富んでいます。葉は柄がなく、基部は葉鞘で卵型楕円形、先端は尖っています。結実せず節から根を出して増えるため、よく群生しています。花弁は白色で3個。雌しべは1個、雄しべは6個あり、葯(やく)は黄色で長毛が多く見られます。園芸品種の「シロフハカタカラクサ」の葉にある斑が消えて野生化したともいわれる帰化植物で、原産地は南アメリカです。

ノハカタカラクサ

 この植物に非常に似た「ノハカタカラクサ」も林下の日陰でよく見かけます。こちらは群生せず、全体的に見た目が小型。葉の裏側は紫色を帯び、花柄や茎が暗い紫色になることから見分けられます。花の形や大きさの違い、葉と花の色彩の組み合わせなども楽しんでみてください。どちらも乾燥には非常に弱い植物です。

 この他にも、道端や空き地の雑草には小さいながら可愛い花もありますので、ルーペを携帯して散歩をお続けください。 

森野かずみ

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