栗笑む&姫凌霄花(月刊Kacce10月号 散歩ウオッチング)

※この投稿は、月刊Kacce2022年10月号(vol.465)掲載記事の再編集です。

 栗笑む(くりえむ)は秋の季語。稲刈りが終わる頃、毬(いが)が割れて丸々と太った実をのぞかせている毬栗(いがぐり)の割れ口が笑っているように見え、見つけた人も思わず微笑んでしまいます。「怒る栗笑う栗皆落ちにけり」は正岡子規の句です。

 ことわざにも「笑う門には福来る」とありますが、笑うとさまざまな健康効果があることは科学的に証明されています。ナチュラルキラー細胞の活性化によって免疫力がアップしたり、副交感神経が優位になったり、血圧や血糖値が抑制されたり…。笑うとリラックスしてストレスが発散されるようで、作り笑いでも効果があるとのこと。今は笑う状況ではない社会情勢かもしれませんが、笑って過ごしましょう。

毬栗

 秋の七草が咲く頃、住宅街などでノウゼンカズラ科の花「姫凌霄花(ヒメノウゼンカズラ)」を見かけます。ノウゼンカズラによく似ていますが、ノウゼンカズラは中国原産の蔓(つる)性の樹木で花期は夏。ヒメノウゼンカズラは南アフリカ原産の半蔓性の樹木で花期は秋。半蔓性ですが、枝は巻き付かず四方に広がって成長します。花の色は橙色で、長い筒状の花が集まった花序は目立ちます。暖かい所では常緑で、寒い所では落葉します。園芸品種もあり、挿し木で増やせますが、東京では鉢植えがおすすめです。

ヒメノウゼンカズラ

 ちなみに秋の七草は、萩の花、尾花(ススキ)、葛花(クズ)、なでしこの花、女郎花(オミナエシ)、藤袴(フジバカマ)、朝顔の花。朝顔の花は桔梗(キキョウ)が定説です。秋の七草は公園の花壇などに植えられているので、時々立ち止まって秋を感じながらの散歩をお続けください。

森野かずみ

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