清明の候(月刊Kacce4月号 散歩ウオッチング)

※この投稿は、月刊Kacce2024年4月号(vol.483)掲載記事の再編集です。

 今月4日は、1年を寒季と暖季に分けると境目になる「清明」です。清明とは清浄明潔の略で、天地万物が清らかで生き生きとする頃を意味しています。

 練馬区内に残された林の縁などで見られるのは、ガマズミ科ニワトコ属の「ニワトコ(接骨木)」。接骨木の名は、枝を煎じてドロドロにし、骨折の患部に当てて湿布をすると効果があるという伝承が由来のようで、別名は音読みの「セッコツボク」です。葉は奇数羽状複葉で、小葉が長いため幅広く見えます。落葉樹で樹高は最大6m程。枝は長く弓なり状で、独特の樹形になることが多いのですが、公園などで手入れされているものは普通の形をしています。新枝の先の直径3〜10cmくらいの円錐花序に4mm前後の小さな花を多数つけ、黄白色か黄白色に薄い紫を帯びたような花色です。同じような所に生育する草本の「ソクズ」(別名:クサニワトコ)は、よく似ていますが、葉裏の葉脈のシワが目立ち、群生する傾向があります。

ニワトコ

 次は、空き地や畑の端っこなど水分が多く日当りの良い所で時々見かける、スミレ科スミレ属の「アリアケスミレ」。地上茎のないスミレで、花の色が白色から淡紫色まで変化に富むことから、有明の空の色になぞらえて名付けられました。花の大きさは直径2cm前後で側弁の基部に毛が多く、葉は葉身が4〜7cmのやや厚めのヘラ型で、水平方向に広がります。

アリアケスミレ

 スミレやノジスミレなども開花する頃です。自転車などに気を付けながら、春の散歩をお続けください。


森野かずみ

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