※この投稿は、月刊Kacce2024年5月号(vol.484)掲載記事の再編集です。
今月の1日は、夏も近づく八十八夜(春分の日から数えて88日目の夜)。5日はこどもの日であり、次第に夏らしくなってくる「立夏」。暦の上ではこの日から夏が始まります。八十八夜は雑節、立夏は二十四節気ですが、いずれも旧暦なので、新暦では多少のずれが生じます。
公園の芝生広場や道端などで、なぜかセットで見かけるアヤメ科ニワゼキショウ属の「ニワゼキショウ」と、ラン科ネジバナ属の「ネジバナ」。ニワゼキショウは小さなアヤメのような見かけで、原産地の北アメリカから花卉(かき)として明治の中期に渡来し、旺盛な繁殖力で今では全国に広がっています。似たような仲間が多く、よく見ると花色の違う個体が混生しているため、見極めるのはかなり難しいと思います。特徴がありよく見かける種を写真で紹介しましたが、自然交雑もするので中間的な個体があるかもしれません。見た目の違いとしては、ニワゼキショウは花が大きめで実が小さく、オオニワゼキショウは花が小さく実が大きめです。ルリニワゼキショウは花弁の先が長く尖り、雄しべが管状です。
ニワゼキショウ
オオニワゼキショウ
「ネジバナ」の葉は倒披針形で、花序の長さは10cm前後。白い毛があり、白色〜淡紅色の小さな花をらせん状に付けます。花はラン型で横向きにねじれて咲き、よく見ると花序のねじれは一定ではなく、左巻きと右巻きがあり、なかには途中で巻き方が変わるものもあります。
ルリニワゼキショウ
ネジバナ
半袖や長袖を着分ける季節ですが、たまには寝転がって空や地面を眺めながらの散歩をお続けください。
森野かずみ