日陰の散歩(月刊Kacce7月号 散歩ウオッチング)

 ※この投稿は、月刊Kacce2024年7月号(vol.486)掲載記事の再編集です。

 今月の6日は小暑。そろそろ梅雨が明け、夏型の気圧配置となる頃です。東京下町の夏の風物詩として名高い入谷の「朝顔まつり」は6日〜8日、浅草寺の「ほおずき市」は9日〜10日に開催されます。夏の土用は立秋前の約18日間で、今年は7月20日〜8月6日。この期間を 「暑中」と言い、暑中見舞いを出します。7月24日が土用の一の丑、8月5日が土用の二の丑で、この夏は鰻の災難が2回あります。

 梅雨明けと同じ頃、ニイニイゼミが鳴き始めると本格的な夏の到来です。板橋や練馬辺りでうるさいくらいに鳴くのはアブラゼミ。木陰に立ち枯れの木があったら、セミの産卵が見られるかもしれません。大人のひざから目の間の高さでじっと止まっているセミを見つけたらチャンスです。産卵中のセミはすぐに飛んでいくことはありませんが、近寄り過ぎると逃げるのでご注意を。

セミの抜け殻

 6月下旬頃から咲き始めるのが、シソ科クサギ属の 「ボタンクサギ(牡丹臭木)」。中国原産で、別名「ベニバナクサギ」や「クスダマクサギ」と呼ばれる低木落葉樹です。もともと観賞用でしたが、現在では野生化し、散歩中によく見かけるようになりました。枝先に淡紅色の花を半球形に付けますが、咲き始めは非常に鮮やかな紅色に見えます。葉柄は紫色を帯びることが多く、園芸種には 「ピンクダイヤモンド」と呼ばれる斑入りの葉の品種もあります。花壇などで時々見かけますので探してみてください。

ボタンクサギ
園芸品種のピンクダイヤモンド

 年々夏の暑さが厳しくなるようなので、日差しを避けて涼やかな樹林帯の散歩をお続けください。

森野かずみ

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